葬儀とは

葬儀の意味と基礎知識

葬儀
大切な人が亡くなった際に行う「葬儀(葬式)」の意味や概要について説明します。現代では時間や場所の制約から、これまでの儀式の形態から変化しているようですが、本来の意味を知ることでより、一つ一つの行動に意味を持って主体的に取り組めるとの自戒の意味も込めて詳しく解説します。
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1.通夜と葬儀、告別式の違い

私自身も母の葬儀で喪主をつとめるまで知らなかった
通夜と葬式および告別式の違いについてまずは説明します。

(1)通夜とは何か?

「通夜」は葬儀前夜に故人を偲び、遺族など近親者が夜通しで行う儀式です。
最近の都市部では2~3時間程度で終える半通夜が多くなっています。本来は「通夜」の文字通り、近親者が夜通しで故人のそばで
線香とロウソクを絶やさぬようにすることを指していましたが、その習慣も薄れてきています。もともとは釈迦が入滅後に、彼の弟子たちが寝ずに夜通し説法を行いながら、遺体を守ったとの話が由来となっています。

(2)葬儀(葬式)とは何か?

「葬儀」は死者を弔う宗教的な儀式のことです。
最近では故人と親しくしていた友人などが最期の別れを告げる告別式も引き続き行われることが多いです。また最近では、頻繁に集まることができないこと等の理由から、本来7日後に行なう初七日法要を告別式に引き続いて行なうことが多くなってきています。

そもそも葬儀の起源は、宗教が発生する以前から人類では行われてきた儀式のようで、約6万年前の旧石器時代ネアンデルタール人の遺跡からも葬儀らしき跡が発掘されたようです。日本の大部分を占める仏式の葬儀においては、浄土真宗と日蓮宗を除き、故人が釈迦の弟子となり、成仏させる「旅立ち」の儀式との位置付けになっています。

(3)告別式とは何か?

告別式とは、友人・知人など一般参列者が故人とお別れをする儀式のことです。
告別式は葬儀のあとに営まれ、友人・知人など故人にゆかりのある人々が、故人にお別れを告げる儀式です。主に一般の方が参列します

2.葬儀を行うために知っておきたいこと

(1)喪主

「喪主」とは、残された遺族を代表し、葬儀の主宰者となる人です。
葬儀中にあいさつをしたり、葬儀の後の法要や仏事も中心になって進めます。

(2)葬儀の形式と規模

・宗教葬儀(平均費用は約150~200万円)
宗教者を呼び、その宗教の形式にそって行う葬儀です。
日本で最もポピュラーな葬儀の形式です。代々その家がお世話になっている宗教や宗派と違うと、後々お墓への埋葬ができないこともあるので、お世話になっている(墓のある)宗教、宗派で行います。私の家の場合は、父に聞いたところ曹洞宗という宗派でしたが、近くでお世話になっているお寺がなかったので葬儀会社から曹洞宗のお寺を紹介してもらいました。

・自由葬(値段は内容によって異なります)
宗教や慣習、しきたりにこだわらず、自由な形式で執り行う葬儀です。
故人の好きだったものやこだわりを表現できるので近年増加傾向にあります。宗教葬儀と対比され、「無宗教葬儀」とも呼ばれたりします。

・家族葬(平均費用は約30~60万円)
家族のみでひっそりと行う葬儀です。
似ているものに「密葬」という形式もありますが、厳密には少し異なります。ただし、どちらも小規模ではありますが、「家族葬」は親族に加えて親しい知人も通夜や告別式に参加しますが、「密葬」は親族のみで葬儀を行った後に知人に知らせます。

・直葬(平均費用は約20~30万円)
通夜や葬儀などを省略し、病院や自宅から直接火葬場に行き、火葬する形式です。
亡くなった遺体を直接火葬場に搬送することから「直葬」と言います。比較的安く済ますことができることから都市部では増えてきています。



(3)会場

一般的には葬儀会場(斎場と呼びます)を使うことが多いですが希望により自宅や宗教施設(お寺や教会)でも行うこともできます。

3.神道の通夜・葬儀

神道(神式)では、仏式の葬儀・告別式に相当する「葬場祭」の前夜に、仏式の通夜に相当する「通夜祭」と「遷霊祭」をおこないます。本来、「通夜祭」と「遷霊祭」は別々の儀式でしたが、現在では通夜祭として1日のうちにおこなわれます。通夜祭のあとは、通夜ぶるまい(「直会(なおらい)」)をし、酒や食べ物で弔問客をもてなし、故人を偲びます。

4.キリスト教の通夜・葬儀

(1)カトリックの場合

カトリックでは、仏式や神式のような通夜のしきたりはありませんが、「通夜の集い」、「通夜の祈り」として自宅で神父(神父)とともに祈りを捧げます。内容としては、聖歌合唱、聖書朗読、説教、お祈り、献香、焼香、結びの祈り、遺族のあいさつなどで構成されています。

そしてカトリックの葬儀のことは「葬儀ミサ」と呼びます。仏式の葬儀との最大の違いは、葬儀ミサは協会が主催することです。そのため、葬儀ミサは自宅ではなく、教会で行われます。

(2)プロテスタントの場合

プロテスタントの場合、通夜に相当するものは「前夜祭」「前夜式」と呼ばれています。前夜祭では通常、讃美歌の斉唱、聖書の朗読、お祈りなどが行われます。通夜ぶるまいは特にしませんが、簡単な茶菓子で参列者をもてなします。

そしてプロテスタントの葬儀はカトリックと同様に教会で行いますが、故人の冥福を祈るというより、「神への礼拝」の意味合いが強いのが特徴ですので、事前に綿密に打合せし、一般参列者がとまどわないような心配りが必要です。

>>【次ページ】危篤や臨終に直面した時の対応の仕方とは。


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