日常の供養

日々の供養の仕方について

日常の供養
日々の供養は仏壇で行います。朝と晩に故人に礼拝し、声をかけます。私は朝起きた時と寝る前に仏壇に向かって声をかけています。

1.朝晩に礼拝をする

故人の供養は、毎日朝と晩に礼拝を行うことが基本です。
仏壇に供え物をして線香をつけ、鈴を鳴らして読経します。礼拝を行うときに最も大切なのは作法などではなく、故人を偲ぶ気持ちです。

線香やお経などをあげる時間がないときや、負担になるときは省略しても構いません。そのかわり、必ず毎日「おはよう」や「おやすみなさい」と話しかけるつもりで、手を合わせるようにしましょう。

2.基本的なお供え物

故人への基本的なお供え物は「五供(ごくう)」といい、5つあります。

(1)飲食(おんじき)

炊き立てのごはんやいただきものは、食べる前に仏壇に供えます。正式には仏飯を備えますが、日常われわれが食べているものでも構いません。

(2)浄水(じょうすい)

正式には清浄な場所から汲んだ水やお茶を茶湯器に注ぎ、香炉の奥の中央に置くと良いとされていますが、日常の供養では普通の水道水やお茶で構いません。ただし、浄土真宗系の仏教ではお茶は供えません。

(3)灯明(とうみょう)

ロウソクに火を灯し、仏壇の周りを明るくします。一点注意としては、何かしらの理由でロウソクの火を消さなければならない時には、口の息で消さないようにしましょう。理由は仏教では人間の息は穢れているものとして見なされている為、ロウソクの火を消す時は手や団扇で扇いで消しましょう。

(4)お香

お香を焚くことで、周囲を清めましょう。一般的には朝にお香を3本焚くと言われていますが、忙しい方は一本でも良いでしょう。

(5)お花

供養のための花は、供花とも呼ばれます。お花は毎日変えなくても大丈夫ですが、水は毎日入れ替えるようにしましょう。ただし、造花はあまり良くないとされていますので、出来る限り生花をあげるようにしましょう。

3.礼拝のマナーと流れ

朝の作法

(1)仏壇の扉を開き、飲食(炊き立てのご飯)と浄水(水またはお茶)を供えて、花の水をかえます。
(2)仏壇の前に正座し数珠を手にかけ、一礼します。
(3)灯明(ろうそく)をともし、線香2~3本に火をつけて香炉に立てます。
(4)鈴を二度鳴らして手を合わせて拝みます。
(5)お経を唱えてから、また手を合わせて拝み、鈴を二度鳴らします。
(6)ろうそくを手であおぎ消して、一礼します。

昼の作法

飲食と浄水を下げます

夜の作法

(1)仏壇の扉を開き、飲食(炊き立てのご飯)と浄水(水またはお茶)を供えて、花の水をかえます。
(2)仏壇の前に正座し数珠を手にかけ、一礼します。
(3)灯明(ろうそく)をともし、線香(本数は宗派によって異なる)に火をつけて香炉に立てます。
(4)鈴を二度鳴らして手を合わせて拝みます。
(5)ろうそくを手であおぎ消して、一礼します。
(6)線香が消えたことを核にんして、仏壇の扉を閉めます。

4.神道とキリスト教の供養

(1)神道

神道において仏壇のかわりとなるのが「御霊舎(みたまや)」です。新しく購入する場合は五十日祭までに準備をします。日々の供養は、朝に手や口を水で清めてから、米と水、塩を供え、二礼二拍一礼をします。神道における拍手は、忌明け(五十日祭)まで音をたてない「しのび手」が基本です。

(2)キリスト教

キリスト教において仏壇のかわりとなるものはありませんが、故人の遺影と十字架を飾ることが多いです。故人を偲ぶために故人が好きだった花や食べ物を供え、声をかけます。日々の供養のかわりとなるのが、食事や寝る前に行う「神へのお祈り」です。


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