終活をおこなう時に、エンディングノートの準備とともに一般的な手段として自分の生前葬や葬儀の準備が挙がります。終活においては、どんなスタイルの葬儀を行うのか、費用はどのくらいで、どこから充当するか等、前もって家族に詳しく伝えておくことがポイントです。さらには葬儀の生前予約という方法もあります。
1.終活で家族に伝える方法
(1)エンディングノートを作成
形式にとらわれずに自分らしい葬儀を行いたい場合、生きてるうちに、自分で葬儀内容を決めてしまうという方法があります。
大切なのは、決めた内容をきちんと記述して、家族などに確実に伝えるという事です。ノートでも構いませんし、パソコンなどで作成したものでもいいでしょう。
最近では、葬儀の方法や終末期のことについて、元気なうちに整理して書き込むための「エンディングノート」が書店で売られているので、こうしたものを利用する方法もあります。
(2)家族の理解を得る
自分なりの葬儀のプランを考えたら、必ず家族ともその事について相談して、しっかりと理解を得ておくことが大切です。
たとえば、「葬儀は家族だけで行う」という場合には、親戚などにも了解を得ておかなければなりません。あるいは「無宗教葬にする」という場合にも、菩提寺に遺骨を埋葬できるかどうかという問題があります。
実際に葬儀を行うのは残された家族なので、あとあと面倒なことにならないように、準備は念入りに行いましょう。
2.終活における葬儀デザイン
まず、どのようなスタイルで葬儀を行うかを決めます。宗教儀礼としての葬儀を行うなら、どの宗教の、どの宗派の方式で行うのか、また実家の宗旨と異なる場合には、特に注意が必要です。
「無宗教葬」の場合には、どのような内容で行いたいのかを、できるだけ詳しく決めておく必要があります。
家族だけで葬儀を行う「家族葬」の場合には、親戚や友人・知人、仕事関係の人々への対応をどのようにするのかを明確にします。場合によっては自分で連絡しておかなければなりません。
3.葬儀社・費用
(1)葬儀社の選択
葬儀のスタイルが決まったら、依頼する葬儀社についての検討を行います。ネットで調べたり、資料を取り寄せるなどして自分が望むスタイルの葬儀を行ってくれそうな葬儀社をピックアップします。可能であれば、見積もりを取って比較検討することをお勧めします。
(2)葬儀費用の準備
自分でデザインする葬儀ですので、費用も自分で用意しておきたいものです。葬儀費用は一般的な相場では、200万~300万程度が目安となっています。現金で用意しておくのは不用心ですが、本人名義の口座は、死後に一時凍結されてしまいますので、ご注意ください。その点で便利なのは保険です。
4.生前契約について
(1)葬儀会社との生前契約
民間の葬儀社との生前契約の場合、まずは具体的な葬儀の内容と費用について話し合い、契約書を交わします。その際には必ず、本人の死後の緊急連絡人などを決めておきます。葬儀費用の支払いには、一括前払いのほか、生前保険や信託が利用されることが多いようです。契約者が死亡した場合には、契約に基づいた葬儀が営まれます。
(2)生前契約のチェックポイント】
・解約が可能かどうか
契約の解約が可能かどうかは重要です。可能な場合は手数料や違約金がどうなっているのか、事前に確認をしておきましょう。
・見直しが可能か
契約(葬儀)の内容を変えたいと途中に思った際に、変更が可能かどうか。
その際の手数料にはどのくらいかかるのか。
・費用の支払いに問題点がないか
支払いに利用する金融商品は元本が保証されているか。保険会社や信託銀行が
破たんした場合の保全策はどうなっているのか。
・会社自体の信頼性
契約会社が信頼できるかどうか。会社が破たんした場合の補償はあるか。