あいさつ回りは、都市部では簡略化される傾向にあるようですが、地方を中心にまだまだ大切にされている文化です。私もお世話になった方にはあいさつ回りに出向きました。
1.葬儀の挨拶回りは初七日まで
喪主または遺族代表は、葬儀でお世話になった人たちにお礼を述べます。
葬儀関係者は葬儀の翌日または翌々日までに挨拶し、その他は初七日までに挨拶に行きます。
2.葬儀の挨拶回りの言葉
葬儀の挨拶回りは葬儀委員長や恩人、目上の方、お世話になった方などに行いますが、概ね下記のような言葉で御礼を申し上げると良いでしょう。
葬儀の挨拶回りの言葉例
「この度はお忙しい中ご会葬いただき、有難うございました。無事に葬儀も終えることができ、故人も喜んでいるかと思います。」
3.葬儀の挨拶回りの服装
服装は喪服でなくても結構ですが、喪服に近い黒を基調とした地味な平服やスーツ等にし、あいさつが終わった後は早めに切り上げます。
4.葬儀の挨拶先
葬儀後のあいさつ回り先は、主に下記のような方々になります。
(1)僧侶・神父・牧師などの宗教者
僧侶・神父・牧師への挨拶は、できるだけ葬儀翌日に行い、葬儀後にお布施などを渡していないときは持参します。最近では葬儀後にあいさつも済ませ、あいさつ回りを省くことも多いので、葬儀の時に法要の日時の相談も一緒にすると良いでしょう。
(2)葬儀の世話役(葬儀社が行った際には不要)
葬儀の世話役には謝礼の金品を持参し、改めてお礼に伺うのがマナーです。
(3)隣近所
自宅で葬儀を行った場合は大勢の会葬者や車の出入りで迷惑をかけているので、早めに隣近所の方にお詫びに訪ねます。
(4)故人の勤め先
故人が勤めていた場合は、事務手続きを兼ねて故人の勤め先にご挨拶に行きましょう。
5.勤務先へのあいさつ回り
故人がまだ会社に勤めているときに亡くなった場合、直属の上司や同じ部署の人、葬儀でお世話になった人にはお礼に伺います。会社に伺う際にはお菓子などみんなで分けることができるものを持参すると良いでしょう。あいさつをするとともに故人の机やロッカーなどの私物を整理し、下記の事務手続きもします。整理するときは機密書類などがある可能性があるので、会社の人に確認を取ってから始め、書類関係は勝手に処分しないように気をつけます。また、事務手続きに必要な印鑑は必ず持参しましょう。
会社での事務手続きは以下の通りです。
(1)会社に返却する
社員証やバッジ、名刺、鍵(会社建物、ロッカー、机など)、
会社書類関係、データ関係、定期券、健康保険証など
(2)会社に提出する
死亡届、死亡退職届、年末調整に必要な保険料控除・個人年金控除・
医療費控除書類、扶養控除移動申告書など
(3)会社に依頼する
団体生命保険・退職金・功労金・給与・社内預金の確認、
社会保険の埋葬料の請求、遺族厚生年金の請求など
6.葬儀後に出す死亡通知
死亡通知は葬儀の日時を連絡するものとは別に、葬儀後に死亡したことと葬儀をすませたことを知らせるものがあります。
この場合は初七日頃に手配をして故人の友人や知人、遠方に住む人などに送ります。年末が近いときは年賀状の欠礼はがきをかわりにする場合もあります。