終活で「納骨堂」という供養方法を学ぶ

最近話題の納骨堂という形式

納骨堂
時間的な余裕のある終活では、一般的なお墓以外にも、さまざまな供養(埋葬)方法を知り、比較検討することが可能です。

最近では大々的な広告も多い納骨堂の最大のメリットは、都会の中で駅の近くにあることでお参りがしやすい、ということです。

大半の納骨堂が駅から近くの場所にあり、屋内でもあるので、高齢者にとっても大変お参りしやすいスタイルです。お墓不足が深刻な問題になっている大都会では、希望者が殺到しているケースもあります。

1.納骨堂とは

納骨堂は、「納骨殿」や「霊堂」などとも呼ばれ、一般的には自社仏閣の敷地内に設置されています。以前は、一時的に遺骨を預かる場所でしたが、最近では一時的な遺骨の保管先ではなく、お墓同様に恒久的に遺骨を祭祀する施設としての役割を担っています。

(1)お墓参りのしやすさ

屋外のお墓は掃除や草むしりなど手入れが大変ですが、屋内にある納骨堂は手入れの心配がありません。立地条件も都会の中にあったり、利便性が高い場所にあり、冷暖房完備、エレベーターの設置など、バリアフリー対応の施設も増えてきています。また、天候に左右されずにお墓参りができるので利用者に好評です。

(2)故人を偲べる様々な配慮

モニター画面に思い出の写真や映像が表示され、祭壇の下に遺骨を出す特別参拝など、一般的なお墓には無い故人との絆を確認できる配慮をしている納骨堂が増えています。

(3)空間設計へのこだわり

外観や室内は多種多様で、スペースを効率的に使うことを追求している納骨堂もあれば、空間設計へのこだわりやアート作品を思わせるモニュメントを持つ納骨堂もあります。

2.納骨堂のタイプ

(1)ロッカー式

いわゆるロッカーと同じようなつくりで、個別の収蔵庫が縦横に並び、収蔵庫内部に骨壺を安置する形式です。収蔵庫の位置(ロッカーの上段・下段)で料金に差が出ることがあります。

(2)自動搬送式

最近、都会で増えてきているのがこのタイプで、参拝室や参拝スペースに、遺骨(骨壺)を納めた納骨箱が自動で運ばれてきます。遺骨(骨壺)は普段は収蔵庫で管理されており、参拝者が専用のカードやタッチパネルで故人の情報を入力すると自動的に参拝室まで運ばれます。待ち時間は1分程度なので、特に待つこともなく、スムーズな参拝ができます。

(3)仏壇式

納骨スペースに仏壇と同様の装飾を施し、内部に本尊、焼香具、燭台、花入れ、などが用意されています。仏教寺院内に設置された納骨堂によく見られるタイプです。

(4)モニュメント形式

主に屋外にあり、中に入って参拝するのではなく、建築物そのものを墓標とみたてた納骨堂です。建築に趣向を凝らした様式美を備えています。

3.納骨堂のメリット・デメリット

(1)メリット

・継承者がいなくても購入できる
・お墓に比べて費用が安く抑えられる
・利便性が良い(首都圏の納骨堂は駅の近くが多い)
・基本的に屋内にあるため天候を気にせずお墓参りができる
・草むしりや掃除などの管理が不要
・無宗派でも納骨できる納骨堂が多い
・バリアフリー対応の施設が多い
・墓石がないため、改装しやすい

(2)デメリット

・収蔵期間が決められている場合が多い。三十三回忌までの保管や期間満了時に
 契約更新が必要なところもある
・お花を添えたり、線香を焚くことができない施設もあり、お墓参りの充足感に
 欠ける場合もある


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