終活で尊厳死を望む場合

意志表示を書面に残しましょう

尊厳死
終活を考えていくと、自分の老後そして死に際を考えることにも繋がります。尊厳死を望む場合は、きちんと意志表示をしておくことが何よりも大切です。公正証書や日本尊厳死協会などを利用するのも有効な手立てです。

1.尊厳死について

(1)本人の意志表示を書面にする

医療の進歩により、かつては救えなかった命が救えるようになりました。しかし、その一方で、過剰な延命治療に対する批判も起こるようになりました。回復の見込みがなくなったときに、どの程度の延命治療を行うべきか・・・。これは家族にとっても大きな問題です。

1秒でも長く生きてほしいというのは当然の思いでしょうし、早く楽にさせてあげたいと思うことも偽らざる気持ちでしょう。このようなケースに対応するためには、あらかじめ本人が意志表示しておく以外に
有効な方法はありません。

意志表示といっても、口頭で伝えただけでは効果は期待できません。きちんと書面に残しておかなければならないのです。

(2)公正証書による宣言

意志表示として「自分は延命治療を望まない」ということを公正証書にしておく方法があります。それを治療に際して医療機関に提示するか、代理人に依頼して医療機関に伝えてもらうことで、自分の意志を伝えることができます。

2.日本尊厳死協会とは

尊厳死を選択するには、日本尊厳死協会に委託する方法もあります。同協会は1976年に設立された民間団体で、自然な死を選ぶ権利を確立する活動をしています。2005年には会員数は10万人を超えています。

協会に委託するには、会員になって「尊厳死の宣言書」に署名・捺印します。宣言書は協会が保管し、本人と家族にはコピーが渡されます。必要になったときには、まず本人か家族が医療機関に宣言書を提示して尊厳死の意志表示をします。

医師の理解が得られない場合には、協会が働きかけてくれます。宣言書には法的な拘束力はありませんが、協会によると、提示した際に医師の理解が得られるケースは約96%とのことです。同様な活動を「終末期を考える市民の会」も行っています。


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