臨終に備える

危篤の連絡と臨終への準備

臨終
大切な人のご臨終備え、臨終後の手続きなどについて要点をまとめます。
私も母の臨終の時には何をしたらよいのか全く分からなかったので、このページの内容を参考にしてもらえればうれしいです。

1.危篤の連絡をする

病院などから親の危篤の知らせがあった時には、すぐに親戚や知り合いに連絡をしましょう。
近親者で最期に立ち会ってほしい人がいる場合は、意識があるうちに来てもらえるようにします。

緊急を要するので、電話で連絡するのがオススメです。
それがたとえ深夜や早朝であっても、危篤の時であればマナー違反ではありません。もし携帯番号を知っているなら近い親族には携帯で連絡を取り、遠い親族や知人にはメールやファックスを使うのが良いかもしれません。

ただし、危篤での面会場所は当然病室や自宅となるので、あまり多くの人に知らせてしまうと周囲の人に迷惑をかけてしまうので、親族や近親者に留めることがオススメします。

また、病院ではなく、自宅療養で容態が悪化し、危篤に陥った場合には、とにかく早く主治医に連絡をとり、早く来てもらうようにしましょう。主治医と連絡が取れない場合には119番通報で救急車を手配しましょう。

あきらかに死亡している場合でも、医師に死因を確認してもらうまでは勝手に遺体を動かしてはなりません。また、外出中に突然倒れたり、容態が悪化した場合にも急いで119番通報しましょう。

2.連絡をする範囲

危篤の連絡をする時に最も優先順位が高いのは家族や近親者です。
近親者は三親等くらいを目安に、付き合いの深さなどを加味して決めましょう。次に、本人の親しい友人や知人、勤務先などの順です。血族だからといってあまり親しくない人に連絡をとっても、かえって迷惑になることもありますので、「本当に会いたいと思える仲か」という事を判断基準にして決めてください。もしも迷った場合には連絡をする方がベターです。会うかどうかは、連絡された本人が決めればよいのです。後になって「なぜあのとき連絡をくれなかったのか」と遺恨を残すよりは、とりあえず連絡をとった方が無難と言えるでしょう。たとえ今は疎遠になっていても、最期くらいは会ってもらうと良いという考え方もあります。

連絡の範囲

とにかく危篤時には気が動転してしまう事もありえるので、伝える内容を簡潔にまとめておくことをお勧めします。家族や近親者に伝える内容は、主に以下の4点です。
①危篤者の名前
②危篤者のいる場所(来てほしい場所)の住所、電話番号、交通機関、道順
※病院であれば科名、病室番号
③病状
④いつごろ来てほしいのか
「〇〇が危篤になりましたので、一目会っていただけないでしょうか」と伝えます。

3.臨終への準備

臨終後には看護師が浴衣に着替えさせることが多く、浴衣を用意します。
納棺のとき浴衣のままか、故人が気に入っていた服に着替えさせるかは、家族が選びます。入院費用や葬儀費用の支払いなどで現金が必要になるので用意しておきましょう。私の場合、自宅で母を看病していたので、訪問看護の看護師に母が生前よく着ていた服を着せてもらいました。ちなみに、「臨終」とは「臨命終時」の略で、死を迎える直前のことを指しますが、現在では死と同一の意味で使われることも多いです。

4.遺言がある場合

本人が臨終を前にして遺言を残したい場合もあり得ます。遺言内容が財産分与などに関係するならば、口述筆記する必要があります。遺言が法的効力を持つには一定の方式を踏まえていなければなりませんので、注意が必要です。作成には証人として3名以上の立会人が必要で、そのうち1名に遺言の内容を口述筆記してもらいます。筆記した人は遺言者と他の2名の証人に遺言の内容を読み聞かせ、証人全員がその内容を確認したうえで、署名・押印します。さらに作成した遺言書を20日以内に家庭裁判所に提出しなければ無効になります。臨終前でバタバタと忙しいかとは思いますが、ここまでしなければ遺言書としては成立しません。

キリスト教の方の場合

キリスト教に属している方の場合は危篤、臨終のときに大事な儀式があります。
つまり意識があるうちにやっておかなければならない事があるのです。カトリックなら神父さん、プロテスタントなら牧師さんを呼んで儀式を行います。意識があるうちに行うことに意義があるので、早めに所属する教会に連絡しましょう。なお、儀式を行ってくれた神父さん、牧師さんには心づけとして3万円程度を支払います。

(1)カトリック

臨終前、つまりまだ意識があるうちに神父さんを枕元に呼び、「塗油の秘蹟」と「聖体拝領」を行います。塗油の秘蹟は神父さんが信者の告白を聞いて罪の許しを神に祈り、病人の額と両手に聖油を塗ります。聖体拝領はぶどう酒とパンを与えます。

(2)プロテスタント

意識があるうちに牧師さんを呼び、「聖餐式」を行います。
信者が安らかに天に召されるように祈るもので、病人にパンとぶどう酒を与え、聖書の一節を読みます。また臨終を迎えたら、遺体の上に聖書を置きます。

>>【次ページ】自宅と病院、それぞれの場所で迎えた臨終への対応方法について。


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