通夜を行う

通夜の進め方や通夜ぶるまいについて

葬儀
私も母の葬儀を経験するまでは、通夜と葬儀の違いすら分かりませんでした。簡単に言えば、通夜とは葬儀前日におこなう故人とのお別れの儀式のことです。最近では、3時間程度で終了する「半通夜」という形が一般的です。

1.通夜の進め方

葬儀の形式によって違いはありますが、仏式のときには以下のような流れで進行します。

①僧侶を出迎えて打合せをおこなう
②開始時刻1時間前になったら受付を開始する
③開始時刻少し前に一同が入場して着席する
④司会者による開会の辞
⑤僧侶が入場して、読経(お経を読むこと)をおこなう
⑥喪主、遺族、親族、弔問客の順番に焼香をおこなう
⑦僧侶による法話(おはなし)
⑧僧侶退場
⑨喪主によるあいさつ
⑩通夜ぶるまい

2.通夜中におこなうこと

通夜が始まる前に葬儀会社や僧侶と最後の打合せをします。祭壇や供物、供花、席順など会場に不備はないか、通夜の段取り、返礼品、香典返し、心づけの準備などについて最終確認をします。

通夜の最中、遺族は最期のお別れのときを過ごすため、故人から離れないのが通例です。弔問客への対応は世話役や葬儀会社に任せます。焼香のときに弔問客から挨拶されたら、座ったまま軽くお辞儀をするのがマナーです。

(1)僧侶到着~読経

僧侶が到着したら、世話役が控室に案内します。喪主はあいさつをして、僧侶と式の進め方について打合せをします。弔問客が多いときには読経の途中で焼香を始める場合もあります。

喪主と遺族、弔問客が席に着いたことを確認したら、世話役は僧侶を式場にお連れします。僧侶が入場したら、読経が始まります。読経の時間は通常30~40分程度ですが、世話役は会場全体に目を配り、子どもが騒いでいる時には控室に案内するなど、スムーズな進行に努めます。

(2)焼香

読経が終わると次は焼香です。焼香する順番は、基本的には席次と同じです。喪主、遺族、親戚、来賓、弔問客の順です。焼香のあとに僧侶が法話や説教をすることもあります。僧侶が退場すると通夜は終了し、通夜ぶるまいに移ります。

通夜の席次

3.通夜ぶるまい

仏式の場合、通夜のあとに1時間ほど「通夜ぶるまい」をすることが多いです。通夜ぶるまいとは、喪主から弔問客への感謝を伝え、弔問客には故人を偲んで頂く場のことで、遺族は酒や料理で弔問客をもてなし、弔問客にあいさつに回ります。

通夜ぶるまいで出す料理は、仕出し料理や折詰めで済ませることが多く、私の場合もそうでした。通夜ぶるまいの料金は、セット料金とは別になっている葬儀会社が多く、葬儀会社を通じて前日ぐらいまでを目安に、あらかじめ通夜ぶるまいに出席してくれそうな人数を予想して発注します。

なお、最近では省略することも多いそうですが、通夜ぶるまいの閉会のあいさつ例も載せておきます。

■通夜ぶるまい閉会のあいさつ例文
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本日は遅くまでありがとございました。お陰様ででとどこおりなく通夜を終えることができました。
もっともっとお話をお伺いしたいところですが、明日に差し支えるといけませんので、お開きにさせていただきます。なお、明日は〇〇時から葬儀・告別式をとり行わせていただきます。本日はまことにありがとうございました。
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<ポイント>通夜返礼品
通夜ぶるまいを行わない場合、あるいは通夜ぶるまいに出席できない弔問客に「通夜返礼品」を渡す場合があります。お茶やお酒、ビール券など1000円程度の品物が一般的です。葬儀のセット料金に含まれているケースも多いので、事前に確認しておきましょう。

4.通夜が終わってから

通夜ぶるまいが終わって、弔問客が帰ったら、世話役や通夜を手伝っていただいた方にお礼を申し上げましょう。お酒や折詰めを持ち帰ってもらってもいいかもしれません。

世話役たちが帰り、喪主、遺族だけになってからが本来の意味での「通夜」となります。「通夜」とはもともと文字通り、「夜通しで故人に付き添って、故人への邪霊を防ぎ、故人との別れを惜しむ」儀式の事でした。私自身も子どものころに出席した北海道の親戚の通夜では、徹夜で遺族たちが故人の周りで過ごしていた事を覚えています。

このような伝統的な通夜を過ごす場合には、一晩中、灯明(とうみょう)と線香の火を絶やさず、遺体を守る習わしがあります。このことを「夜伽(よとぎ)」と言います。ただし、危篤から臨終、お通夜までずっと立ち会ってきた遺族は、体力的にも精神的も疲労していることでしょう。翌日には葬儀が控えていますので、あまり無理しなくても良いと思います。最近ではこの様な形式は減ってきています。

5.神式、キリスト教式の通夜の場合

(1)神式の通夜の場合

神式では通夜を「通夜祭」といいます。基本的には仏式の通夜と同様です。神官が祭祀(さいし)を唱え、仏式の焼香にあたる「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」をおこない、通夜ぶるまいへと移ります。

(2)キリスト教式の通夜の場合

カトリックでは「通夜のつどい」、プロテスタントでは「前夜祭」と呼びます。いずれの場合でも讃美歌(聖歌)合唱、聖書朗読、神父(牧師)の説教、お祈り、献花などがあり、最後には軽食がふるまわれます。


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